超伝導トンネル接合素子を用いたテラヘルツ波検出器アレイの開発とイメージング応用

Development of terahertz-wave detector array based on superconducting tunnel junctions and its imaging applications


有吉 誠一郎, 大谷 知行, DOBROIU Adrian, 佐藤 広海 (理研); 田井野 徹 (埼玉大); 松尾 宏 (国立天文台); 清水 裕彦 (KEK)
ariyoshi*riken.jp


Abstract:電波と光波の境界領域に位置するテラヘルツ波は、産業分野における各種非破壊検査や癌診断、生体内構造解析、天文分野における銀河形成進化の観測的研究などを行う上で重要な周波数バンドとして期待されている。しかし、このバンドで大規模なイメージング計測を行うために必要な検出技術は未開拓であり、高感度・広帯域・大規模アレイ性能を兼ね備えた検出デバイスが望まれている。そこで我々は、ニオブ系の超伝導トンネル接合素子(STJ)を用いたテラヘルツ波検出器アレイとイメージングシステム化に向けた研究開発を進めている。検出器1画素は、ニオブ超伝導体の平面アンテナと超伝導マイクロストリップラインをSTJ素子で橋渡しした膜構造をとる。今回、後進波管を連続波光源とするイメージングシステムを使用し、検出器25画素を2次元方向に拡張したアレイとその多系統信号を同時に読み出す回路系を構築することで、画像取得時間の短縮化やサンプルのリアルタイムイメージングを可能にした。本講演ではイメージング試験の結果や性能、今後の展望について述べる予定である。