ポインチングベクトル法による高温超伝導コイル内の局所的な状態の推定

The estimation of local conditions in HTS coils by Poynting’s method.


徳田 将展, 上之原 伸一, 川越 明史, 住吉 文夫 (鹿児島大)
bt203051*ms.kagoshima-u.ac.jp


Abstract:ポインチングベクトル法によって高温超伝導コイルの異常を検出するシステムの開発を行っている。本測定方法の主な特長は、被測定コイルに対して非接触で異常を検出できること、異常の発生箇所を特定できることである。これまでに、Bi-2223テープ線材で巻線した高さ80mm、直径80mmのソレノイドコイルをサンプルコイルとして、本測定方法によりサンプルコイルに対して非接触で異常を検出できることを実験的に明らかにした。この実験では、サンプルコイル容器内の液体窒素の量を減らしていくことによって、コイルの上部から異常を発生させ、その時のサンプルコイル周辺の局所電界と磁界の時間的変化を観測した。今回は、異常が発生しているサンプルコイル周辺の局所電界と磁界を数値解析により求め、その結果と実験結果とを比較することによってサンプルコイル内の局所的な状態を推定することを試みた。その結果、コイル内の局所的な状態を推定可能なことを示したのでそれについて報告する。