Enhancement of superconducting properties in VLS-Sm1＋xBa2-xCu3Oy films infused BaZrO3 nanorods.
舩木 修平, 吉田 隆, 一野 祐亮, 高井 吉明 （名大）； 松本 要 （九工大）； 一瀬 中 （電中研）； 向田 昌志 （九大）； 堀井 滋 （東大）； 喜多 隆介 （静岡大）
s-funaki*ees.nagoya-u.ac.jp
Abstract:REBaCu3Oy（REBCO）膜の内部に不純物となるBaZrO3（BZO）ナノロッドを導入することで、磁場中における臨界電流密度（Jc）が飛躍的に向上することが知られている。そのため、BZOナノロッドのサイズ及び密度、成長機構に関する研究が微細構造観察などを用いて盛んに行われている。これまで我々は、単結晶育成に近い薄膜成長法であるVapor-Liquid-Solid（VLS）法を用いて作製したSm1＋xBa2-xCu3Oy（VLS-SmBCO）膜が高い結晶性及び超伝導特性を示すことを確認してきた。本研究では、BZOナノロッドの成長機構の検討を目的として、VLS法によってBZO混入ターゲットを用いたSmBCO （VLS-SmBCO＋BZO）膜を作製した。Jcの印加磁場角度依存性より、B＝1 T におけるVLS-SmBCO＋BZO膜はB//cのJcがB//abの1.28倍まで増加し、さらにB＝9 TにおいてもB//cに大きなピークを示した。以上のことから、VLS-SmBCO＋BZO膜内部には微細分散したBZOが傾きなく成長していると考えられる。詳細な成長機構については当日報告する。