Abstract:　 従来製法によるA15化合物（Nb₃Sn， V₃Ga， V3Si）の主な磁束線ピン止め中心は結晶粒界である。一方、bcc相からマッシブ変態させる急熱急冷変態法Nb3Al線材では、大傾角粒界、小傾角粒界に加えて積層欠陥、Kirkendallボイドも生成する。ピン止め機構の解明の観点から粒界密度の定量的評価が求められているが、TEM観察では狭い観察視野のために統計的に粒径を評価するのに不適であった。従来のA15相線材では引っ張り破面をSEM観察することにより多数の粒サイズを統計的に解析できたが、Nb₃Alは粒内劈開してしまうので、その手法を適用できない。本研究ではジェリーロールフィラメントの横・縦断面についてEBSD （Electron Back Scatter Diffraction Patterns）法で結晶方位と粒径の解析を試みるとともに、Jcとの相関を調べた。