改良型TFA-MOD法によるREBCO線材の磁場中Ic向上プロセス開発
Development of REBCO coated conductors by advanced TFA-MOD process for critical current improvement under magnetic fields

鬼頭 豊 , 松田 潤子 , 中岡 晃一 , 鈴木 賢次 , 須藤 泰範 , 中西 達尚 , 中井 昭暢 , 吉積 正晃 , 町 敬人 , 山田 穣 , 和泉 輝郎 , 塩原 融 (SRL)
y-kitoh*istec.or.jp


Abstract:  TFA-MOD(Metal Organic Deposition)プロセスは高温超電導線材低コスト作製プロセスとして期待されている.TFA-MODプロセスを用いたYBCO線材の作製では金属基板上において液体窒素温度,自己磁場条件で2MA/cm2以上のJcが得られており,厚膜・高Ic化においても原料溶液組成の最適化等により短尺でIc=735A,長尺化においても56m長でIc=250Aが得られるなど,開発が進んできている.一方,コイルやモーター,変圧器等の機器応用を考えると磁場中での臨界電流値の特性向上が望まれている.そこで我々はTFA-MODプロセスを用いてREBCO(RE:Y, Sm等)膜を作製し磁場中での超電導特性の向上を目指した.原料溶液や焼成条件によってはIc値の磁場依存性および磁場印加角度依存性に異なる傾向がみられ,超電導層の組織構造の違いに起因するものと考えられる.本研究は,超電導応用基盤技術研究開発業務の一環として,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により実施したものである.