Abstract:　 ｃ軸相関ピンは，B//c方向のJc特性を向上させるだけでなく，不可逆磁場や磁束相図にも影響を与えることがこれまでの実験で分かってきた．しかし，高温超伝導材料におけるピンニングセンターはランダムピンと相関ピンが競合した系であり，この複雑な系における磁束ピンニングに基いた磁束相図は十分に理解されていない．そこで，ｃ軸相関ピンの代表例である重イオン照射による柱状欠陥を導入したY123膜に関し，臨界電流と不可逆磁場の測定を行なった結果，マッチング磁場以上の高磁場においてもc軸相関ピンが非常に強く働くことが分かった．これについて，電気抵抗と臨界電流の磁場，温度，磁場の印加角度依存性の結果から総合的に議論する．