大輪 美沙 , 川越 明史 , 住吉 文夫 (鹿児島大);式町 浩二 , 平野 直樹 , 長屋 重夫 (中部電力)
bt202015*ms.kagoshima-u.ac.jp
Abstract: YBCO線材を用いた機器の開発を進めるためには、線材を複数本束ねて数kA通電可能にする必要がある。また、電力機器として用いるためには、そのような導体で巻線したコイルの交流損失の評価とその低減が重要である。そこで今回は、YBCO線材を素線とし、その素線2本から構成した導体を用いてダブルパンケーキコイルを作製した。このコイルは、コイル長53mm、コイル内径100mm、10ターンのダブルパンケーキコイル2個を直列に接続したものである。巻線に使用した導体は、ハステロイ基板の幅10mm、厚さ0.2mmの絶縁なし線材2本の基板側を向き合わせて重ねたものである。今回は、このコイルの交流損失を液体窒素中で電気的に測定した。得られた交流損失の周波数依存性から導体の素線間接触抵抗や、端部の接続部を介して流れる結合電流の影響について議論する。