近藤 良也 (KEK)
ykondo*post.kek.jp
Abstract: 音速は媒質により固有の値をもつ。本装置は被測定ガスの音速と空気中の音速が異なることを利用してガスの検出を行うものであり、ヘリウムガス設備の安全弁・破裂板等の作動時におけるガスの吹き出しを検出する目的で開発した。本装置は音速を直接計測せずに、音速の変化を位相の変化として処理するため、通常音速を計測する際に必要な距離÷時間の演算を必要とせず、構造がシンプルで初期設定以外の一切の調整を必要としない。検出機構は水晶発振器にPLLを組み合わせた構成となっており、長期連続連作を安定して行う事が可能である。原理上、単純に放出された音波を受信出来れば良いため、センサーの位置会わせを等を行う必要は無く、タイムラグなくガスを瞬時に検出できる。セラミックス製のセンサーを用いているため、磁場の影響を受けず振動・衝撃に対しても強い。等々従来技術では得られない様々な特徴をもったガス検出装置を実現した。