Effect of Resin Coating on the Leidenfrost Temperature of Heat Transfer Surfaces in Liquid Nitrogen
高畑 一也 （NIFS）
Abstract:急冷過程の伝熱促進に関する研究では、膜沸騰域から遷移沸騰域へ移行する温度であるライデンフロスト温度が重要となる。樹脂コーティングによる伝熱促進（「断熱層のパラドックス」）では、膜厚の増加に伴いライデンフロスト温度が上昇するが、そのメカニズムは未解明の部分が多い。本研究では、液体窒素中においてフッ素樹脂でコーティングした上向き水平伝熱面の沸騰曲線を、非定常・定常の両条件で測定し、ライデンフロスト温度のコーティング膜厚依存性を調査した。過去の研究では、膜沸騰域において局所的かつ間欠的に液体と伝熱面が接触する現象（intermittent liquid-solid contact, ILSC）により、伝熱面に形成されるコールドスポットがライデンフロスト温度に影響を及ぼすことが示唆されている。本研究では、この解析結果が実験結果と整合するかを考察する。