AC inductive excitation tests of REBCO assembled conductors in liquid hydrogen (3) -Liquid nitrogen tests-
後燈明 拓見, 岡部 宗也, 嶋田 健, 大淵 匠真, 大屋 正義 （関西学院大）； 今川 信作 （NIFS）
Abstract:低温超電導導体の通電試験方法として、導体の両端を短絡して低インダクタンスの二次コイルとし、磁気的に結合した高インダクタンスの一次コイルをスイープ励磁することにより、二次コイルに大電流を誘導する方式が用いられる。液体水素冷却高温超電導発電機の界磁コイル向け集合導体の通電試験にも同様の手法を用いることを想定しているが、ロゴスキーコイルを用いた誘導電流測定の精度等が課題であり、我々は新たな交流誘導通電方式を提案して基礎検討を行っている。高温超電導線材1～3本の短絡コイルを用いた基礎試験を経て、単層集合導体を用いた1ターン短絡コイルの設計および製作を行い、液体水素試験前の確認として液体窒素冷却下で交流誘導通電試験を実施した。通電周波数1Hzでは、二次電流のピーク値が390Aを超えるとロゴスキーコイル電圧と一次電流の位相差の減少が確認された。本ピーク値は線材Ic総和384Aとほぼ一致し、ロゴスキーコイル電圧と一次電流の位相差から、誘導電流の導体Ic到達を検知できる可能性を示した。引き続き、本コイルを用いて液体水素冷却下で誘導通電試験を行う。
この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の助成事業（JPNP20004）の結果得られたものです。また、本研究の一部は核融合科学研究所（NIFS）の一般共同研究（NIFS23KIIA009）のサポートを受けたものです。