FPGA統計処理を活用したクエンチ前兆を捕捉するイベントトリガーシステムの開発

Development of an event-triggering system for “quench-precursor” detection using statistical logics in FPGA


鈴木 研人, 菅野 未知央, 中本 建志, 池本 由希子, 荻津 透, 田中 賢一, 岡田 竜太郎, 髙橋 直人 (KEK)


Abstract:LHC高輝度化アップグレードに向けたビーム分離超伝導双極磁石(D1)の実機量産が進んでおり、現在までに4台の励磁試験が国内にて実施されてきた。個々のマグネットのトレーニング性能は同じ設計仕様・製作工程にも関わらず様々な振る舞いを見せており、またクエンチ時のクエンチアンテナ信号にも様々な特徴が確認されている。クエンチの前段階で発生する擾乱と後発するクエンチとの関係性からトレーニングの傾向の違いが説明できるか検証するため、クエンチ前兆を捉えるためのイベントトリガーシステムを開発している。具体的にはField Programmable Gate Array (FPGA)に統計処理を施す事で、リアルタイムで信号の異常性を検知するシステムを構成する。本発表では当該システムの詳細と他研究機関で開発が進められている”Anomaly detector”との差異を述べるとともに、D1実機励磁試験において試験運用した結果と展望について報告する。