Quantitative study on long term stability and variation causes of passively shimmed magnetic field in a persistent current MRI magnet
阿部 充志, 佐々木 憲一, 荻津 透, 三部 勉, 下村 浩一郎 (KEK); 杉田 萌, 高柳 智弘 (原子力機構); 飯沼 裕美 (茨城大)
Abstract:J-PARCで計画しているミューオン磁気能率、電気能率(g-2/EDM),およびミューオニウムの超微細構造(MuSEUM)の精密測定実験では、永久電流通電の超伝導磁石を用いた非常に一様な磁場を利用する。許容される磁場変動は空間・時間的に0.2 ppm以内の空間・時間的に磁場変動を抑制する必要がある。104回研究会では40cm球面上の磁場計測点で0~0.35μT/Kの温度依存性を観測し、室温構造物の熱膨張/収縮による計測位置と鉄片位置の変動が影響していると推定した、。その後、磁気シールド鉄板の対称配置に努めたMuSEUM実験室でのシミング前の素磁場分布も得た。そして、素磁場が持つ誤差磁場の多くは、磁石コイルが持つ誤差磁場である事がわかり、これを反映して永久電流中の磁場変動について理解を深めた。磁場変動の原因は、Blochの温度3/2乗則のシム片磁化変化、構造の熱膨張/収縮(シム片配置位置、シム片位置変動によるコイル電流変化、誤差磁場中での計測位置の変化)であると解った。この結果を考慮し、実際のMuSEUM実験体系では温度制御を行うことなどで、磁場変動を許容内に抑制できる見通しを得た。