ILC主線形加速器用NbTi伝導冷却超伝導四極磁石・双極複合磁石の開発状況

Development status of a NbTi conduction-cooled superconducting quadrupole magnet combined with dipole correctors for the ILC main linac


山田 智宏, 有本 靖, 山本 明, 大内 徳人 (KEK); SOLYAK Nikolay, SAINI Arun (FNAL); 堀井 弘幸, 野元 一宏 (三菱電機)


Abstract:国際リニアコライダー(ILC)主線形加速器では、超伝導加速空洞が電子・陽電子ビームをそれぞれ125GeVまで加速し、超伝導四極・双極複合磁石がビームの収束および軌道補正の役割を担う。KEKでは2023年度より5ヵ年で、上記の超伝導空洞と超伝導磁石を組み込んだクライオモジュール試作機(1台)を国際協力によって開発する計画を進めている。超伝導磁石は2025年までに完成し、単体性能評価試験を実施する予定である。また、ILCでは超伝導空洞の運転加速勾配が31.5MV/mと高く、さらに超伝導磁石の磁場勾配も最大40T/m、口径内磁場が~2T に達するため、上流の加速空洞表面で自然発生する電界放出電子による暗電流シャワーが、下流に位置した超伝導磁石へ偏向入射することによって超伝導コイル発熱し、クエンチするリスクが指摘されている。本発表では、超伝導磁石と単体試験用クライオスタットの開発状況に加え、検討を進めている暗電流対策についても報告する。