原子炉中で発生するCRUD材の磁気分離に関する基礎的研究

Basic research on magnetic separation of CRUD materials generated in nuclear reactors


西嶋 茂宏, 野村 直希, 三島 史人 (福井工大); 関根 智一 (ICUS)


Abstract:原子炉内の給水系には高耐食性の材料が選択されているが、原子炉内の高温環境下では若干の腐食が発生する。 この腐食生成物は冷却材中に分散しながら系内を循環して炉心に付着し、そこで中性子が照射されて放射化する。放射化した腐食生成物は剥離し、再び系内を循環し、配管等に付着する。原子炉水中または配管系に付着したこのような腐食生成物はクラッド(CRUD)と呼ばれている。この放射性のクラッドが環境の放射線レベルを増加させ、原子力作業員の放射線被ばくの要因となっている。このためクラッド除去技術を確立することは重要なテーマの一つである。一方で、廃炉作業においても、長期運転されてきたプラントにおいて、クラッドの除去・回収は重要であり、そのための新たな技術開発も望まれている。我々は、原子炉内のクラッドの分離技術として、磁気分離の可能性を検討しているが、その結果について報告する。