東北大学大洗センターの超伝導特性評価システムの高度化 -50Hz計測システムの導入-

Improvement of superconducting property evaluation system at Tohoku University Oarai Center -Installation of 50 Hz data acquisition system-


西村 新, 菱沼 良光 (NIFS)


Abstract:2012年、東北大学大洗センターに、中性子照射効果を検討するための15.5T超伝導マグネットと温度可変インサート(VTI)が導入された。導入されたVTIは伝導冷却で試料ホルダーや超伝導線材試料を冷却するもので、(1)プラス電極、マイナス電極間で若干の温度の違いがあり、(2)試料通電時にジュール発熱で電極と試料温度が若干上昇する。これらの温度変化を補正するため、50Hzのデータ収集システムを新たに導入した。従前のデータ収集系のSampling rateは0.5Hzであった。得られた温度変化からプラス、マイナス各電極の温度を求め、その平均値を試料温度とした。この試料温度を用いて、測定された電流値を4.2Kの電流値に換算した。換算した電流と電圧の関係は、4.2Kの液体ヘリウム中で実測した電流ー電圧曲線とほぼ一致した。1µV/cmの電圧発生時の電流を臨界電流とし、4.2Kに換算した臨界電流を用いて、磁場の影響、中性子照射の影響を検討することとした。