機械的曲げを持つNb3Al極細素線超伝導ケーブルの超伝導特性の研究

Studies on bent ultra-fine strands Nb3Al cables on the superconducting performance


植木 竜一, 大内 徳人 (KEK); 菊池 章弘 (NIMS); 山本 優 (日本超電導応用開発); 青木 和之, 有本 靖 (KEK)


Abstract:SuperKEKB加速器は、7 GeVの電子と4 GeVの陽電子を衝突させる非対称エネルギー電子陽電子衝突型加速器である。衝突点における垂直ビームサイズ数十ナノメートルを達成するため、衝突点の両サイドには強力な超伝導四極電磁石が配置されている。衝突点近傍で発生する色収差を補正するため、衝突エリアの直線部に常伝導六極電磁石が20m〜35m間隔で16台設置されている。色収差調整の高精度化を行うため、3種類の補正電磁石を持った超伝導六極電磁石システムの開発を進めている。冷却システムの動作温度を考慮し、補正磁石のコイルに使用する超伝導線材としてA15化合物超電導体であるNb3Alを検討しており、Nb3Alケーブルを用いたreact and winding法を用いたコイルの開発を行っている。今回、素線径が50 umのストランド線49本で構成されたNb3Al超細素線ストランド超伝導ケーブルを開発し、曲げ半径、温度、外部磁場を変化させたときの臨界電流の測定を行った。本論文では、熱処理後の機械的な曲げたNb3Alケーブルの臨界電流の温度および磁場依存性について報告する。