CZ法およびEFG法サファイアの極低温熱伝導率の比較

Comparison of cryogenic thermal conductivity of CZ and EFG sapphire


山田 智宏 (KEK)


Abstract:サファイアはその硬度や機械強度、光特性の良さから、半導体分野やLED基板、真空窓材など様々な場面で広く用いられている。さらに、電気絶縁体でありながら極低温での熱伝導特性が非常に高いことから、極低温用温度計の基板や超伝導磁石の電流リード用サーマルアンカーなどにも用いられている。一方で、サファイアには様々な結晶製法がありつつも、製法ごとの極低温熱伝導率の比較はあまり行われてこなかった。この度、京セラ株式会社よりCZ法およびEFG法で製作したサファイアの提供を受け、高エネルギー加速器研究機構で4Kから100Kまでの熱伝導率を測定した。その結果、CZ法とEFG法のサファイアでは熱伝導率に大きな違いはなく、実際の利用においては、その部品形状の製作に適した結晶製法を採用することが可能であることがわかった。