REBCO3ターンコイルの液体水素/窒素中の熱暴走実験についての考察

Investigation on the thermal runaway experiments of REBCO 3 turn coils cooled with liquid hydrogen/nitrogen


今川 信作 (NIFS); 大屋 正義 (関西学院大); 白井 康之 (京大); 濱口 真司, 岩本 晃史 (NIFS); 小林 弘明 (JAXA)


Abstract:液体水素で直接冷却することによりクエンチ保護が可能な電圧発生まで冷却安定な高温超伝導コイルの開発を目指している。局所的に劣化させたREBCOテープ線材を用いて,内径160 mmの3ターンコイルを製作し,液体窒素および液体水素中において熱暴走実験を実施した。試験体は,厚さ8 mmのGFRP板に加工した深さ4 mmの溝に3ターンコイルを挿入し,片面の幅方向のみが冷媒で冷却される構造とし,REBCO線のみの試験体と0.2 mm厚の銅テープを共巻きした試験体を比較した。液体窒素および液体水素中のどちらにおいても,熱暴走は最大熱流束よりも低い発熱密度で始まっており,線材の温度上昇に伴う安定化材抵抗率の上昇が重要な因子である。実験結果を簡易モデル解析と比較して熱暴走の挙動について考察する。