細線周りのHe II沸騰におけるラムダ点ごく近傍の特徴的な振る舞い

characteristic feature of He II boiling around wire heater at vicinity of lambda point


髙田 卓, 濱口 真司 (NIFS); 岡村 崇弘 (KEK); 木村 誠宏 (東大); 村上 正秀 (筑波大)


Abstract:筆者らは過去に超流動ヘリウム(He II)中の沸騰現象について微小重力実験を行った。その際にラムダ点近傍では気泡が不安定かつ非常に小さくなるという特異な現象を発見した。地上実験を含め過去にこうした知見はなかったため、本実験では地上実験においてラムダ点近傍について集中的に特異な沸騰が起きるのかを調査した。ガラスデュワに溜められたHe II中に水平に50ミクロンのマンガニン線を張り、電流を印加して沸騰を起こし、4端子法で計測された抵抗値からマンガニン線の温度を算出した。ヒータ線は液面に対して高さが変更できるようにしてあり、主に液頭圧の小さい微小重力に近い環境に置いて実験した。その結果、ラムダ点のごく近傍の非常に狭い範囲でのみ見られる沸騰現象により熱伝達の様相が変化することを観測したので、これについて報告する