液体窒素浸漬冷却におけるT型特殊フィンによる沸騰伝熱促進

Boiling heat transfer enhancement by T-shaped fin for immersion cooling with liquid nitrogen


松尾 奏朗, 結城 光平, 結城 和久 (山東理大)


Abstract:極低温機器の配管の予冷や生体細胞の急速凍結では液体窒素による急冷が利用され,細胞凍結では冷却速度を増加させることで,細胞生存率が向上することが確認されている.また抵抗型超伝導限流器は,液体窒素で浸漬冷却された高温超伝導テープにより構成され,常伝導転移により発生する電気抵抗を利用し電力系統での短絡電流を抑制することが可能であるが,短絡事故後0.3 s以内に200 K以上急冷し,超伝導状態に復帰させる必要がある.したがって液体窒素浸漬冷却における沸騰伝熱促進は多分野において重要な技術となる.そこで本研究では,沸騰伝熱の妨げとなる蒸気膜が発生した際にも冷却液の保持・供給が可能なT型の特殊フィンを提案し,その冷却性能を評価した.その結果,T型フィンを装荷しない場合に対し,T型フィンの利用により冷却時間が約50%短縮し冷却性能を向上可能であることを示したためこれを報告する.