液体水素冷熱の有効利用とEVの急速充電を実現する超電導DCDCコンバータの開発

Development of Superconducting DCDC Converter for Ultra-Fast Charge To Electric Vehicle With Liquid Hydrogen Cooling


谷貝 剛 (上智大); 槙田 康博, 新冨 孝和 (KEK); 平野 直樹 (NIFS); 濱島 高太郎 (東北大)


Abstract:EVの普及は運輸部門のCO2削減に大きく貢献する事が期待できる一方、依然⾧い充電時間が普及の妨げになっており、日本の急速純電は150kW級であり、充電電流は最大400A程度、30分近い充電時間となる。超急速充電には、EVバッテリー電圧380Vを超える電圧を確保しつつ、大電流を供給できる充電器が必要となる。本グループでは、再生可能エネルギーからの直流出力200Vを想定し、直接2倍程度昇圧してかつ大電流を給電できる超電導DCDCコンバータを開発している。コンバータのインダクタは超電導マグネットを用いる事で、スイッチング動作周波数を大幅に下げる大きなインダクタンスを実現しながら、低等価直流抵抗かつ大電流密度であるため、液体水素冷熱を活用して運用可能な低環境負荷・短時間充電が実現できる。さらに低温の水素ガス顕熱を利用して充電ケーブルの小口径化とケーブル冷却機器動力が省略できるため、効率面でも早期社会実装への期待が高まっている。本報告ではBi2223コイルを液体窒素冷却した数kW級の小型コンバータを試作し、試験を行った結果を報告する。