Consideration on Physical Model of Solder-Free Sonic Welding Process for Cu-Stabilized REBCO Coated Conductors and Derivation of Mathematical Model
世良 真也, 呉 澤宇 (九大); 鈴木 賢次 (鉄道総研); 東川 甲平, 木須 隆暢 (九大)
Abstract:REBCO線材の接合において低抵抗で作業性に優れる接合手法として、ワーク上で重ね合わせた線材に加圧しながら音波振動を印加し界面に拡散接合を促す音波接合が提案されている。従来法では、接合界面のボイドにより接合抵抗率は100 nOhmcm2程度であり、低抵抗率の実現には半田処理やインジウム箔の併用が不可欠であった。これに対して著者らの研究グループでは、プロセスを精査することで音波エネルギーのみで、Cu安定化層を有するREBCO線材間の接合において、典型的な半田接合の半分以下である17 nOhmcm2を局所劣化なく達成したことを報告した。一方で、音波エネルギーによる接合形成機構や、接合界面特性の支配因子について、その機序は十分解明されておらず、接合形成プロセスの物理的機構の解明を基にプロセスパラメータと接合特性との関係を定量的に記述する数理モデルの確立が重要な研究課題といえる。本研究では、超伝導線材の接合では、電極となる超伝導線材部分の電気抵抗がゼロとなることから、接合界面の抵抗を直接計測できるという優れた特徴に着目し、接合プロセスの機構を接合抵抗の観点から調べ、接合プロセスの物理モデルについて考察すると共に、その知見を基にプロセスパラメータに対する界面の接合特性の挙動を定量的に記述する数理モデルの導出を試みる。このことにより、音波接合プロセスの基礎的理解ならびに実用の観点から音波接合プロセスに関する学理を開拓しようとするものである。