LHC高輝度化アップグレード用超伝導磁石の開発(21)-CERNにおける実証機コールドマスの冷却励磁試験

Development of superconducting magnets for LHC luminosity upgrade (21) -Tests of prototype cold mass at CERN


鈴木 研人, 菅野 未知央, 中本 建志, 池本 由希子, 岡田 尚起, 荻津 透, 川又 弘史, 寺島 昭男 (KEK); 木村 誠宏 (東大); 市原 直 (フューザック・テクノロジーズ); WILLERING Gerard, FISCARELLI Lucio, PEREZ Juan Carlos, TODESCO Ezio (CERN)


Abstract:CERN-LHC加速器のアップグレードHL-LHCに向けて高エネルギー加速器研究機構(KEK)ではビーム分離超伝導双極磁石(D1)の開発を担当しており、国内で実スケールサイズである7 m長の実証機コールドマスの製造と磁石単体での冷却励磁試験を行った後、2023年にCERNへ輸送した。そしてこのたび、2025年に実施予定である最終収束磁石群を連結した励磁試験(IT String test)に先がけ、横型クライオスタットにおける単独励磁試験を初めて実施した。本試験は実際の運転時の形態を模擬しており、KEKで実施した縦型励磁試験のトレーニングメモリの確認、クエンチ保護ヒーターの性能評価、さらに鉄クライオスタットによる磁場精度への影響を初めて検証する試験である。本発表ではこのD1実証機コールドマスの励磁試験結果を報告すると共に、本結果から見込まれる現在製造中のD1実機コールドマスの磁場精度について展望を述べる。