HTS-SQUIDと差分型検出コイルを用いた高感度交流磁化特性評価システムの開発

Development of a high-sensitivity AC magnetization measurement system using HTS-SQUID and differential detection coil


倉知 侑希, 佐藤 祐喜, 堺 健司 (同志社大)


Abstract:磁気ナノ粒子を用いた磁気免疫検査法は不透明な試料を液相のまま測定可能であるため前処理工程が少ない。そのため短時間の検査が可能であり,病気の新規診断法として期待されている。しかし,高精度な検査を行うには事前に磁気ナノ粒子の交流磁化特性を詳細に評価する必要がある。さらに,実際の免疫検査で用いる磁気ナノ粒子の濃度は薄く,また,病気の早期発見のためには微量な特定物質の検出が必要になる。このような条件下では,磁気ナノ粒子からの磁気信号が非常に小さい状態で交流磁化率を評価することが求められる。そこで,本研究では磁気ナノ粒子の交流磁化特性を高感度で計測可能な装置の開発のために,超高感度磁気センサであるHTS-SQUIDを用いた交流磁化特性評価システムを開発した。開発したシステムはSQUIDと常伝導検出コイルを用いた分離検出方式であり,今回は差分型の検出コイルを用いることで強い印加磁場下でもSQUIDの安定動作を実現し,交流磁化特性の高感度検出を試みた。