CO2の液体窒素温度における固化を使った真空断熱層の減圧

Pressure reduction inside vacuum insulation by Cryo-condense of CO2 in liquid Nitrogen temperature


高田 卓, 濱口 真司, 鷹見 重幸 (NIFS); 野澤 正和 (秋田高専)


Abstract:「液体窒素を使った伝熱実験を開始したいがターボ分子ポンプが無く、良い断熱が得られない」とのタイの若手大学研究者の相談を受けた際、私は良く確証もないままに「CO2なら固化するから、空気とCO2入れ替れれば、断熱出来る圧力まで下がるのでは?」とアドバイスをしてしまった。しかし、本当にそんなに簡単に出来るものなのだろうか。
液体ヘリウム冷却マグネットのクライオスタットに、クライオポンプの発想を取り入れた例は1969年には既にある上、ヘリウム液化機のコールドボックスもロータリーポンプで減圧した後はクライオポンプ効果に頼って断熱しているモノが一般化してきている。更には、ジェック東理社と東北大から空気と固化するガスの置換によってアウトガス低減を行う特許も出ている。しかしながら、実験データを探し当てることが出来ず実験を行うに至った。
本発表では初期圧力と到達圧の関係などの実験データを紹介する他、液体ヘリウムや液体水素といった空気が凝固する貯槽についての安全工学的な実験的研究の必要性について述べる。