MgB2超伝導材料の異方的な構造乱れと磁場中の輸送臨界電流密度

Disorder anisotropy and in-field transport critical current density of MgB2 superconducting materials


前田 穂 (Kangwon国大); LEE Dong Gun, CHOI Jun Hyuk (Sam Dong); 金 正鎬 (Wollongong 大); 崔 世鎔 (Kangwon国大)


Abstract:微視的欠陥・歪みは、低温焼結や不純物添加・置換及び機械的粉砕処理(ボールミル)などによって形成され、材料構造や結晶内部の周期配列の秩序を乱す。これらの構造乱れを含む材料の構築と効果的な制御は、超伝導のコヒーレンス長の短縮化や磁束化量子の有効なピンニングセンターの導入などにつながり、磁場中の臨界電流特性を向上させる。それ故に、様々な材料の超伝導特性と微視的欠陥・歪みとの関係について、数多くの研究が現在までに行われてきた。しかしながら、超伝導特性の異方性を有するMgB2材料において、微視的欠陥・歪みの研究は数多く報告されているが、その構造乱れの異方性の研究はほとんどなく、現象の本質と発生機構が十分に解明されていない。従って本講演では、実験結果と共に異方的な構造乱れの性質を明らかにし、MgB2多結晶材料の輸送臨界電流特性への影響とさらなる向上について述べる。