The stability of inter-layer contact resistivity for intra-Layer No-insulation (LNI) REBCO coils with conductive epoxy
田中 湧也 (上智大); 末富 佑 (理研); 高尾 智明 (上智大); 小林 賢介, 柳澤 吉紀 (理研)
Abstract: 我々はNMR装置のより広範な普及に向け、小型・永久電流・液体ヘリウムフリーAll-HTS NMRマグネットに向けた技術開発を始めている[1]。このようなマグネットには、(1)Joverall > 300 A/mm2を超える高電流密度運転時のクエンチ保護性、(2)高温超電導接合による永久電流回路、(3)短時間の冷却を実現する効率的な伝導冷却パスが必要とされる。我々が考案したintra-Layer No-Insulation (LNI)[2] REBCOコイルは、高電流密度クエンチに対する自己保護性、永久電流コイルに適したレイヤー巻、層間銅シートを伝導冷却パスとして利用できる、という特徴を持つため、この種のマグネットに適している。
LNI REBCOコイルのクエンチ保護性は、線材と銅シート間の接触抵抗率(ρct)に大きく影響を受ける[3]。特に開発を目指すNMR用コイルにおいては、(i) 100 mΩcm2級のultra-high contact resistivity (ρct)を得ること、(ii)サーマルサイクル・大電流・電磁力の経験下でも接触状態が保持されること、が必要である。これらの観点から、導電性エポキシを用いた超高抵抗の接触界面形成に着手し、前回の学会で基本的な実証結果を示した[4]。今回は、接触圧力や通電電流に対するρctの安定性を、単純な接触界面と比較しながら調べた結果を報告する。
本研究はJSPS科研費JP21K20419および理化学研究所基礎科学特別研究員制度の支援を受けたものである。
[1] Y. Suetomi et al., Abstracts of CSSJ Conference, Vol. 104 (2022) p. 64
[2] Y. Suetomi et al., SuST, 32 045003 (2019)
[3] Y. Suetomi et al., SuST, 34 064003 (2021)
[4] Y. Tanaka et al., Abstracts of CSSJ Conference, Vol. 104 (2022) p. 65