WISE導体のREBCOテープと電流フィーダーの接続構造に起因する焼損現象の解析

Analysis of burnout phenomena caused by the connection structure between REBCO tapes and current feeder in WISE conductors


成嶋 吉朗 (NIFS); ガルフィアス-ダヴァロス ディエゴ (総研大); 小野寺 優太, 濱口 真司, 力石 浩孝, 柳 長門, 馬場 智澄 (NIFS)


Abstract:積層REBCOテープを低融点金属で含浸したWISE導体において、温度20Kの条件下で通電試験を実施した。その結果、19kAまで通電した際に電流フィーダー部のREBCOテープに焼損が発生した。しかし、超伝導導体の部分は電圧の発生もクエンチも焼損も発生しなかったことから、問題は電流フィーダーとREBCOテープの接続構造にあると考えられた。電流フィーダーとREBCOテープとの接続は、電流フィーダーに彫られた溝に積層したREBCOテープを差し込み、そこに低融点金属を流し込んで電気的に接続するものである。この構造をもとに電流フィーダー内部の電流分布をANSYSで計算した結果、積層したREBCOテープに流れ込む電流値が非均一になることが示された。さらに、計算で得られた最大電流値が流れこむ位置は、実験で焼損した部分と一致した。このことから、焼損の原因は、一枚当たりの臨界電流を越えた電流値によるクエンチ現象であることが示唆された。この問題を解決する方法として、電流フィーダーとREBCOテープとの接続面の距離を一様にし、電流の不均一を解消することが挙げられる。