Chilldown time reduction of cryogenic equipment using fluoroplastic coating—quenching experiment in liquid nitrogen
高畑 一也 （NIFS）
Abstract:極低温機器の配管、タンクなどを液体窒素や液体水素を用いて初期冷却する際、冷媒の消費量削減、時間効率の観点から予冷時間の短縮が重要となる。ところが予冷過程の初期においては、伝熱面に膜沸騰による蒸気相が発生し伝熱を阻害することが知られている。そこで古くから、表面テクスチャリングやコーティングなどの表面改質による伝熱促進が試みられてきた。その一例が、フッ素樹脂コーティングである。熱絶縁層を用いて伝熱を促進するという一見矛盾した方法であるが、期待以上の効果が得られる。しかし、膜厚を厚くするとその低い熱伝導率によって促進効果が相殺され、予冷時間短縮には限界があった。本研究では、樹脂表面に自発的にクラックを発生させることにより、さらなる予冷時間短縮を試みた。実験では、20µm以下の薄いフッ素樹脂コーティングを施した30 mmx30 mmx2 mmの銅板を、液体窒素中に落下させる急冷実験を行った。発表では、その実験結果と表面クラックの予冷時間短縮効果について報告する。