波形制御パルス着磁による40KでのGdBCOバルクの捕捉磁場特性

Trapped magnetic field properties of GdBCO bulk by waveform controlled pulse magnetization at 40 K


今道 颯人, 土屋 美月, CAUNES Antomne, 和泉 充, 井田 徹哉 (海洋大)


Abstract:強磁場を捕捉し擬似的な永久磁石として振る舞う高温超電導バルク材は、モータあるいは発電機(以下、回転機)の出力を大幅に向上させる界磁極として期待される。高温超電導バルク材を回転機内部に組み込み使用する際、回転機としての機能を損なうことなく、パルス着磁による磁場の捕捉を実現する仕組みが必要となる。我々は多極配置した高温超電導バルク材に対する効率的な着磁を行うために、単一のパルス磁場を印加することによる捕捉磁場の向上を課題として研究を行っている。本発表では、40Kにおいてパルス着磁を行った際の実験結果を示す。我々が以前に開発したアキシャルギャップ型高温超電導回転機の電機子を模した2個の渦巻型銅コイルの間に直径45mm、厚さ19mmのGdBCOを挟み、波形制御パルス着磁を行った。この着磁法は高温超電導バルク材が捕捉しやすいようにパルス磁場波形を制御するものである。我々はバルクへ侵入する磁束の状態を制御入力とした負帰還波形制御パルス着磁を試み、磁束クリープを抑制してバルクへ侵入した最大磁束密度の8割以上を捕捉させることに成功した。