一方向溶融成長(SDMG)法による大型リング状REBCO溶融凝固バルクの直接育成

Direct fabrication of large ring-shaped REBCO melt-textured bulks by the Single-Direction Melt Growth (SDMG) method


元木 貴則, 仙波 実怜, 下山 淳一 (青学大)


Abstract:REBCO溶融凝固バルクは、強磁場が捕捉できるため小型の強力超伝導磁石としての応用が期待されており、リング形状のバルクを用いて無冷媒卓上NMRやMRIに向けた研究が盛んに進められている。典型的なバルクの育成手法であるtop-seed法は、小型の種結晶を核としてバルク全体を2軸配向させるため、一般に円柱形状のような単純形状のバルクのみが育成可能である。そのため、リング形状のバルク作製には、円柱バルク中心部の機械的加工が必須でありクラックの発生などによる捕捉磁場特性の乱れや機械的強度の低下が課題となっている。これまで我々は、高包晶温度を有するREBCO溶融凝固バルクを切り出して大型のseed plateとし、その上に載せた低包晶温度REBCOペレットを鉛直方向のみに溶融成長させるSingle-Direction Melt Growth (SDMG) 法を開発してきた。SDMG法を用いることで全体がc-growth領域のみからなるバルクが得られ、また、一軸方向の結晶成長であるためリング形状のような複雑形状であっても均質性に優れるバルクの直接育成が可能である。本研究では、外径50 mmまでのリング形状ペレットを用いて大型リングバルクの直接育成に成功したので、捕捉磁場特性と合わせて報告する。