陽子線治療向け230 MeVサイクロトロンにおける超伝導マグネットの励磁試験

Excitation Test of Superconducting Magnet in 230-MeV Isochronous Cyclotron for Proton Therapy


吉田 潤, 橋本 篤, 森江 孝明, 荒川 慶彦, 鶴留 武尚, 宮下 拓也 (住重)


Abstract:近年、陽子線治療装置向け230MeV超伝導AVFサイクロトロンの開発を行った。このサイクロトロンは従来の常伝導コイルを超伝導化することで鉄心重量を従来比約1/3の65 tonに軽量化することができた。軸方向にギャップを持つ2 つのNbTi 超伝導コイルは4 つの4 K Gifford-McMahon冷凍機によって伝導冷却されている。ビーム引出半径での平均磁場は3.9 Tである。治療装置用超電導マグネットは、臨界温度に対して十分な余裕を持ち、クエンチからの早期復帰が求められるため励磁試験・クエンチ試験により評価した。最初の励磁試験でクエンチ無しで最大の磁場発生を達成した。その後、保護回路をテストするために強制クエンチ試験を実施した。その結果、超伝導コイルは無事に保護され、電圧、電流の振る舞いが計算と良く一致することが示され、17時間で再励磁可能となる温度まで冷却することができた。