磁気アルキメデス法を用いたレアアース泥の選鉱に関する基礎的研究

Fundamental Study on Ore Sorting of Rare Earth Mud Using Magneto-Archimedes Method


西川 怜志, 秋山 庸子, 真鍋 勇一郎, 佐藤 文信 (阪大)


Abstract: 国産レアアースの供給源として期待されているレアアース泥の実用化に必要な技術として、レアアース泥中のレアアース品位を高める選鉱が求められている。レアアースは反磁性体であるアパタイトに濃縮されアパタイトを常磁性体に変化させ、またレアアース泥はアパタイトを含む約3割の常磁性鉱物と、7割の反磁性鉱物で構成されていることが分かっている。そこで、選鉱の手法として磁気分離法の一つである磁気アルキメデス法の適用可能性を調べる基礎的研究を行った。
 まず各鉱物の磁気アルキメデス効果による浮上位置を計算し、浮上高さの差が比較的大きい条件で検証実験を行った。次に、反磁性鉱物として石英、常磁性鉱物としてレアアースの濃縮対象であるアパタイトを混合した模擬レアアース泥を作製し、磁気アルキメデス法を用いて分離・回収を行った。その結果、磁気アルキメデス法を用いることでレアアース濃度を高めることが可能であることが示された。