高勾配型超伝導バルク磁石を用いた卓上型磁気浮上装置の着磁運用と微小重力環境の応用展開

Magnetizing operation of a desktop-type, magnetic levitation device using high-gradient trapped field magnets and its potential applications of a quasi-microgravity


高橋 圭太, 小泉 結, 大久保 明希, 渡邉 匡人 (学習院大)


Abstract:高温超伝導バルク材料は、磁場中冷却着磁により永久電流を電磁誘導することで10 T級の小型磁場源として利用できる。発表者らは、複数のバルク材料を積層した構造体を着磁することで、強磁場並びに高勾配磁場の発生に成功し、反磁性体の磁気浮上が可能であることを報告してきた。しかし、所望の磁気特性を実現するためには、バルク内部で生じる電流磁気相互作用に基づき、機械的並びに熱的安定性の観点で適切に運用することが求められる。
本研究では、EuBaCuOを積層した高勾配型バルクを有し伝導冷却機構を備えた磁気浮上装置を初期温度24 K, 外部磁場8.0 Tで着磁し、約3ヵ月に渡り疑似微小重力環境の運用を実施した。冷却・着磁・消磁を含む一連の工程で磁場と温度の測定を行った結果から、装置の熱的安定性と磁気特性について議論する。更に、磁気力場の活用事例の創出に向けた研究の展開について紹介する。