航空機用超電導ケーブル接続部の開発

Development of Superconducting Cable Connection Part for Airplane


金山 諄志, 足立 和久, 塩原 敬, 佐藤 迪夫, 中西 達尚, 高橋 保夫, 青木 裕治, 三堂 信博 (昭和電線); 和泉 輝郎 (産総研); 岩熊 成卓 (九大)


Abstract:
現在世界中でCO2排出量の削減が求められています。航空機業界では2018年において航空機の年間CO2排出量は約1億トンと予想され大きな課題となっています。旅客機は20年後には倍増すると考えられおり、対策を講じない場合にはCO2排出量が倍増することは自明です。一方、国際航空運送協会(IATA)は2050年にはCO2排出量を実質ゼロとする目標で合意しました。CO2排出量ゼロの一つの方法として航空機の電動化が挙げられます。電動化した航空機の長距離飛行を可能にするには軽量化が必要です。筆者らは九州大学や産総研などと一緒にNEDOプロジェクトにて航空機用超電導推進システムの開発に参画しました。本システムでは超電導発電機とモーターを超電導ケーブルで接続した全超電導化システムを開発しています。筆者らは超電導ケーブルと各超電導機器を接続する接続部の開発を行いました。従来はケーブルから一度気中に取り出して接続を行っていましたが、本開発品は超電導ケーブルから超電導機器に直結で接続する構造となっています。そのため従来よりも小型軽量化し、更に熱侵入量の大幅な低減が期待されます。また、通電性能においてはAC1110A通電、耐電圧性能は700Vの電圧印加に耐えることを確認しました。