超流動ヘリウム4の効率的な超低温冷却のための熱交換器表面の構造サイズ

Structural size of heat exchanger surface for efficient cooling of superfluid 4He to ultra-low temperatures


中川 久司 (産総研)


Abstract: 超低温に冷却された超流動ヘリウム4は、量子流体力学の検証の場であり、重力波検出や超冷中性子生成などの素粒子分野でも利用されている。本研究では、希釈冷凍機熱交換器材である銀微粒子の焼結体(銀焼結体)に着目し、超流動ヘリウム4の超低温冷却における銀焼結体の熱交換性能を調べている。公称粒径0.07 µmおよび0.13 µmの銀微粒子から作成した銀焼結体と超流動ヘリウム4との熱抵抗を測定した。2022年秋季の講演会では、厚さが1 mmの銀焼結体で得られた結果について報告した。今回、より大きな表面積をもつ厚さ4 mmの銀焼結体の熱抵抗測定と走査型電子顕微鏡による表面構造観察の結果から、銀焼結体表面の構造サイズが熱交換の効率化に重要であることがわかった。