2段スターリング型パルス管冷凍機の開発

Development of Two-Stage Stirling Type Pulse Tube cryocooler


平塚 善勝, 大塚 清見, 恒松 正二, 金尾 憲一 (住重); 楢崎 勝弘 (新居浜高専)


Abstract:住友重機械工業株式会社(SHI)は、1982年からこれまで約40年に渡り、人工衛星搭載用の冷凍機開発を宇宙開発事業として携わってきた。その間、地球観測衛星、科学衛星用センサ冷却やシールドクーラ用途として単段、2段スターリング冷凍機およびJT冷凍機を冷却システムとして提供してきた。将来的には、観測能力を向上させるためにセンサを大型化することが計画されており、これに伴い冷凍機の冷却能力(77K、15K双方ともに)を上げる必要性がある。また、冷凍機の寿命に関して、現在の5年から10年に延伸することが求められ、単段スターリング冷凍機やJT冷凍機に関しては、これまでの試験実績から得られた知見から10年寿命の目途は立っているが、2段スターリング冷凍機においては、2段ディスプレーサーのクリアランスシールを維持することが難しく10年寿命の達成は厳しい条件となる。この課題を解決するための一つの方策として、膨張器に可動部を持たないパルス管膨張器を適用にすることが検討される。本報告は、以前開発した冷凍能力5W at 77Kを有する単段パルス管冷凍機をプレクーリングとし、2段スターリング冷凍機用圧縮機を使って2段パルス管膨張器を設計試作し性能試験を行ったので、その結果について報告する。