Lモードガイド波を用いたHTS-SQUIDベースの非接触ガイド波試験技術の開発 -その1-

Non-contacting Guided Wave Testing using L Mode Guided Wave based on HTS-SQUID -No.1-


廿日出 好, 岡田 亘平, 清水 淳平 (近畿大)


Abstract:我々は、厚さ20mmの断熱材でカバーされたSTPG370配管を対象とし、磁歪式超音波ガイド波と、ガイド波帯域10~200 kHzでも超高感度なHTS-SQUID磁気センサを組み合わせた、非接触ガイド波試験技術の研究を行っている。これまでに、配管の周方向に均一な残留磁化を与え、Tモードガイド波を送受信する手法を開発した。しかし、与えられる残留磁化強度に限界があり、厚さ20mmの断熱材の外からの磁化やガイド波送受信は困難と見込まれた。そこで、今回、新たに軸方向磁化を均一に与える磁化法、およびLモードガイド波を送受信する技術の開発を試みた。これまでは、受信部にHTS-SQUIDを配置して、ガイド波由来の磁気信号を直接測定していたが、今回の手法は対象を電磁石で磁化した状態で行うため、SQUIDを磁化部近傍に配置できない。そこで、小型の8の字誘導コイルを検出コイルとした常温磁束トランスを構成してSQUIDに結合することで、ガイド波由来の磁気信号を測定した。本手法では厚さ20mmの断熱材の外からでも十分な強度の磁化を与え、かつLモードガイド波の送受信および欠陥検出が行える可能性を示した。