LHC高輝度アップグレード用超伝導磁石の開発(19) - 実機1号機性能試験結果

Development of superconducting magnets for LHC luminosity upgrade (19) - Test results of the first series magnet


鈴木 研人, 中本 建志, 菅野 未知央, 荻津 透, 池本 由希子, 岡田 竜太郎, 高橋 直人, 田中 賢一, 岡田 尚起, 川又 弘史 (KEK); 木村 誠宏 (東大); PEREZ Juan Carlos, TODESCO Ezio (CERN)


Abstract:KEK超伝導低温工学センターでは2011年よりHL-LHCより実装されるビーム分離超伝導双極磁石(通称:D1)の設計を進めてきた。本磁石は定格電流値が12.11 kA、また受入電流値が13.23 kAであり、中心磁場が5.6 Tの2極磁石となっている。2021年に初めてのフルスケールとなる7m長実証機の性能評価を所内で実施したが、設備の制約上、受入電流値である13.23kAまでの励磁が不可能であった。さらに、磁場精度も十分なものではなかった。この結果を踏まえ、実機磁石では磁場性能の改善を図った。
本講演では2023年に行われた実機1号機の性能評価について発表する。まず、本試験に先立ち行われた試験設備改造について説明した後、磁場精度に直接の影響を与える断面設計の改良点について述べる。そして、本試験で得られた実際のトレーニング性能、及び実際に得られた磁場精度について結果を報告する。