Development of superconducting magnets for LHC luminosity upgrade (16) – Construction of 7 m-long prototype magnet
菅野 未知央, 中本 建志, 鈴木 研人, 池本 由希子, 岡田 尚起, 荻津 透, 川又 弘志, 寺島 明男 (KEK); 木村 誠宏 (東大); 堀越 篤, 千葉 知雄, 瀧本 良寛 (日立); MUSSO Andrea, TODESCO Ezio (CERN)
Abstract:CERN-LHC加速器では、積分ルミノシティを現行LHCの10倍以上である3000 fb-1まで向上させることを目指した高輝度アップグレード計画(HL-LHC)が進行中である。この目標の実現には、衝突点近傍の磁石システムの性能向上が不可欠であり、KEKはこの中でビーム分離超伝導双極磁石(D1磁石, MBXF)の開発を担当している。D1磁石はNb-Ti超伝導コイルを使用しており、重要な要求性能は、150 mmの大コイル口径、 35 T·mの磁場長(主双極磁場5.6 T, 温度1.9 K, 運転電流12 kA)、想定吸収線量25 MGyに対する耐放射線性などである。2019年までにKEK所内で2 m長モデル磁石の設計、製造、性能評価試験を繰り返し行い、設計の妥当性検証と実機に向けた課題抽出およびその対策を進めてきた。2018年にKEKがHL-LHC計画に正式参加することが決定されたことを受け、日本の貢献として7 m長の実証機磁石1台と実機磁石6台を製造することが決まった。実証機磁石の製造は2020年から2021年にかけて日立製作所で行われ、完成後にKEKにおいて磁石性能試験が実施された。本発表では、実証機磁石の製造について報告を行う。