CuO二重鎖銅酸化物超伝導体における磁束ピンニング

Flux pinning properties of CuO double layer superconductor


下山 淳一, 齋藤 晶文, 元木 貴則 (青学大); 椋田 秀和 (阪大); 佐々木 進 (新潟大)


Abstract:我々はPr247の焼成条件の最適化および酸素量を適切に調節することによってTcが18 Kでかつ低温で完全反磁性を示す焼結体試料の作製に成功し、温度を変えたNMR測定によってCuO2面はTc以下でも反強磁性であり超伝導に寄与していないことを明らかにした[1]。この結果は、超伝導を担っているのはb軸方向に伸びる一次元のCuO二重鎖であることを示唆している。これまでに行った磁化測定より、比較的大きな磁化ヒステリシスを示すこと、可逆領域が存在することがわかっている。発表ではCuO2面で超伝導が発現している通常の銅酸化物と比較しながら、酸素量を変えたCuO二重鎖超伝導体の磁束ピンニング特性を報告する。
[1] S. Nishioka et al. Appl. Phys. Express, 15 (2022) 023001