The effect of non-uniform contact resistivity on the thermal behavior of the no-insulation coil with the local degradation
仲田 悠馬, 小林 宏泰, 早乙女 英夫, 宮城 大輔 （千葉大）； 長崎 陽, 津田 理 （東北大）
Abstract:焼損を避けることができる超電導コイルとして，無絶縁コイルが提案されている。無絶縁コイルでは導体間が絶縁されていないため，電流が劣化部を避け径方向へ分流する。そのため，劣化部に臨界電流値を大きく超えた電流が流れ込まず，劣化部における発熱を抑えることができる。しかし，実際の導体間の接触抵抗率は，接触面の状態，冷却サイクル，圧力によって大きく変化する。そのため，無絶縁コイル内部の劣化部付近に接触抵抗の大きな箇所が存在する場合，劣化部を避け径方向へ流入する電流量が小さくなることで，劣化部に臨界電流値を大きく超えた電流が流入する可能性がある。そのため，無絶縁コイル内部の複雑な電流分布を明らかにするために，コイル内部の各ターン，および各ターンのループ部を分割し，電気回路として表現した部分要素等価回路(PEEC)モデルを用いて解析を行った。接触抵抗率の分布が異なる場合の局所劣化のある無絶縁コイルの温度分布，電流分布について解析した。結果より，接触抵抗率の分布が変わることで励磁遅れ，及び劣化部周囲における発熱量が変化するが，熱暴走には至らないことを明らかにした。