無酸素銅板/MgB2超伝導バルク積層のパルス着磁における無酸素銅の効果Ⅲ:シミュレーション解析による実験結果の再現

An effect of OFC plates on the pulsed-field magnetization process for OFC-plates/MgB2-bulks stacking Ⅲ: reproduction of experimental results by simulation analysis


吉田 智貴, 内藤 智之 (岩手大)


Abstract:MgB2超伝導体はバルク応用に適した材料であるが、動作温度域での比熱Cが小さく、熱的に不安定な材料である。そのため、超伝導バルクの着磁方法の一つであるパルス着磁(Pulsed-Field Magnetization, PFM)法には不向きである。我々の研究グループはMgB2リングバルクと無酸素銅板を積層し、リング内部に軟磁鉄Yokeを挿入した複合構造において、PFM法によるMgB2バルクの捕捉磁場としては最高の1.61 Tを達成した。前回の学会までは、未解明であった無酸素銅板が捕捉磁場特性に与える影響をシミュレーション解析により明らかにし、実験による検証を報告した。解析では無酸素銅板により捕捉磁場が低下したのに対し、実験では捕捉磁場が向上したという異なる結果が得られた。今回は、解析と実験における捕捉磁場特性の違いについて、実験環境を再現したモデルに対し解析を行うことで明らかとする。