MgB2薄膜の特性向上に必要な後アニール時間の検討

Investigation of post-annealing time required to improve Jc of MgB2 thin film


山﨑 輝, 田代 達哉, 川山 巌, 土井 俊哉 (京大)


Abstract:EB蒸着法を用いてステンレス基板上にMgB2薄膜を作製し、後アニールすると基板元素がMgB2薄膜に拡散し、TcとJcが低下した。そこで、アニール時間を短くすることで基板元素の拡散を抑制できると考えた。まず、MgB2の結晶性を向上させるために必要な最低限のアニール時間の探索を行った。
EB蒸着法を用いてSi基板上にMgB2薄膜を作製し、650℃で1秒、15分、30分、60分の後アニールを行った。後アニールした試料ではアニール前の試料に比べてTcとJcが向上したが、アニール時間にかかわらず同程度であった。これらのことから、Si基板上に作製したMgB2薄膜の結晶性の向上に必要な時間は非常に短いことが分かった。