Bi2.2Sr1.8CaCu2O8+δ単結晶における臨界電流密度のドープ量依存性

Doping Dependence of the Critical Current Density in Bi2.2Sr1.8CaCu2O8+δ Single Crystals


加藤 準一朗, 三野 裕太郎, SUGALI PAVAN KUMAR NAIK (東京理科大); 中川 駿吾, 柏木 隆成 (筑波大); 石田 茂之, 永崎 洋 (産総研); 西尾 太一郎 (東京理科大)


Abstract:銅酸化物高温超伝導体の臨界電流密度Jcは過剰ドープ領域で増大することが知られており,これは凝集エネルギーの増大と異方性の減少と関連付けられてきた.一方で近年では,Jcについて電子相図と関連付けた議論もされており,より詳細なJcのドープ量依存性に興味がもたれた.そこで単結晶を用いて系統的にJcのドープ量依存性を調べたところ,高温では過剰ドープに向けて単調増大する一方,低温では不足ドープと過剰ドープの2ヶ所でJcが増大することが明らかになった.特に低温において不足ドープ領域でもJcが増大する結果は,従来の知見に反した新奇な結果である.講演では結果の詳細を報告するとともに,その機構について電子相図と関連付けて議論する.