超電導体内の電界の時間変化を用いたリザバーコンピューティングに関する研究

Research on Reservoir Computing Using Time-Varying Electric Fields in Superconductors


有田 拳, 上田 天馬, 小田部 荘司, 宇佐美 雄生, 田中 啓文 (九工大); 松野 哲也 (有明高専)


Abstract:近年、非線形性を持つ物理現象を用いたリザバーコンピューティングの研究が盛んにおこなわれている。そこで、超電導現象を新たな物理リザバーとして提案すべく研究を行った。
具体的には、まず2次元TDGL方程式を数値的に解き超電導現象を可視化した。続いて、可視化した領域から複数点の電界の時間変化を取得し、それを用いてリザバーコンピューティングの幾つかのタスクによる時系列予測を行った。。
結果としては、波形生成タスクに関してはほぼ正確に予測することができた。NARMA2タスクは精度はよくないが目標に予測が追従する結果が得られた。非線形-メモリタスクでは超電導現象がリザバーコンピューティングに必要な非線形性とメモリ性を十分に備えていることが明らかになった。
結論として、超電導現象は物理リザバーとして有用であるが、まだ改善の余地があると言える。