機械学習超解像によるHall素子配列で取得したREBCO高温超伝導コート線材の磁気観察像の高解像度化 

Resolution enhancement of magnetic images of REBCO coated conductors acquired by a Hall probe array by using machine-learning super-resolution 


高 明陽, 木須 隆暢, Natthawirot Somjaijaroen, 呉 澤宇, 東川 甲平 (九大)


Abstract:本研究では、REBCO高温超伝導線材の磁気計測において、深層学習に基づく超解像技術を導入し、ホール素子配列で測定した低解像度の磁気像の高解像度化成功した。高温超伝導線の磁気計測は、線材内の局所欠陥の検出などにおいて重要であり、特に、Hall素子配列を用いた測定は、実用線材の出荷前の試験として現在広く用いられている。しかしながら、Hall素子センサの数の制限のため、線材幅方向の空間分解能が低く、線材幅方向に局在する微小欠陥の検出やその位置、形状について十分な情報を得られない問題がある。一方、微小ホール素子を高速に走査しながら磁気像を得る走査型Hall素子磁気顕微鏡(SHPM)では、線幅方向にも高解像度の磁気像の取得が可能であり高品質の磁気像の取得が可能である。ただし、装置構成がより複雑となる事と測定速度がHall素子配列法に比べて遅いという問題点がある。本研究では、同一の100 m級長尺線材に対してHall素子配列を用いた測定と高精細のSHPM測定とを実施することで教師データを取得し、畳み込みニューラルネットワークを用いた深層学習によって超解像モデルの学習を行った。本ネットワークにより、Hall素子配列によって得られた低い解像度の磁気像より高解像度の磁気像を生成することに成功した。すなわち、Hall素子配列法による高速測定を維持したまま、空間解像度を大きく向上する事を可能とした。