Sr0.95La0.05TiO3 を導電性中間層に用いた YBa2Cu3O7 短尺線材

YBa2Cu3O7 coated conductor using Sr0.95La0.05TiO3 as conductive buffer layer


内田 翔, 松村 実典, 青木 星也, 川山 巌, 土井 俊哉 (京大)


Abstract: 我々は REBa2Cu3Oy (REBCO) 線材の構造として、{100}<001> 集合組織を有する Cu テープ上に導電性中間層、REBCO 層を順にエピタキシャル成長させる構造を検討している。REBCO 層において超伝導の破れが生じた際に、電流は導電性中間層を通って Cu 層へ回避する。安定化層形成のために高価な Ag を使用する必要がなく、また線材を積層化した際に積層方向に電流が流れるため、集合導体に使用する場合に Jc が向上するなど、多くの利点がある。
 本研究では、導電性中間層の物質として Sr0.95La0.05TiO3 (La-STO) を用いた YBCO/La-STO/Ni/Cu/SUS316 試料を作製し、YBCO 層の Jc およびLa-STO 層の電気抵抗率 ρ を測定した。0.37 MA/cm2 (77K、自己磁場中)の Jc が得られた。また ρ の値は 12 Ω・cm であった。La-STO 層の膜厚 80 nm を用いて、1 cm2 あたりの膜厚方向の電気抵抗に換算すると、9.6×10-5 Ω・cm2 であった。