超良好一様磁場に受動シミング調整されたMRI磁石磁場の長時間安定性と磁場変動原因

Long term stability and variation causes of passively shimmed very homogeneous magnetic field in an MRI magnet


阿部 充志, 佐々木 憲一, 萩津 透, 齊藤 直人, 三部 勉, 下村 浩一郎 (KEK); 杉田 萌 (原子力機構); 飯沼 裕美 (茨城大); 多田 紘規 (名大); 小山 駿, 田中 陶冶 (東大)


Abstract:J-PARCで計画しているミューオン磁気能率、電気能率(g-2/EDM),およびミューオニウムの超微細構造(MuSEUM)の精密測定実験では、超電導磁石を用いた非常に一様な磁場を利用する。実験体積中で、±0.1 ppm以内の空間・時間的に磁場変動を抑制する必要がある。受動シミング(鉄片配置による磁場調整)で空間的に調整できることは、前回の研究発表会で示した。その後、室温状態で時間的な磁場変動について検討を進めた。その結果、2ヶ月の磁場計測期間で、鉄片磁化の温度変化以外に、構造物の熱膨張(収縮)による計測位置と鉄片位置の変動が影響していることが解った。また、温度による磁場変動以外に、He量及びEIS(External Interference Suppression)の影響していることが解った。それぞれの影響を定量的に調べた結果、実際のMuSEUM実験体系では温度制御を行うことなどで、磁場変動を許容内に抑制できる見通しを得た。