導電性エポキシを用いたintra-Layer No-Insulation (LNI) REBCOコイル接触抵抗率制御技術の構築

Development of contact resistivity control technology for intra-Layer No-Insulation (LNI) REBCO coils with conductive epoxy


田中 湧也 (上智大); 末富 佑 (理研); 有園 若葉, 高尾 智明 (上智大); 柳澤 吉紀 (理研)


Abstract:NMRのより広範な普及にむけて、伝導冷却All-HTS NMR磁石が強く望まれている。レイヤー巻HTSコイルへの伝導冷却の適用は、冷却パスの確保が課題となるが、intra-Layer No-Insulation (LNI)法を用いれば、レイヤー間の銅シートを冷却パスとして活用できる。LNI法は、クエンチに対する自己保護特性が大きな利点だが、保護性能は線材と銅シート間の接触抵抗率に大きく影響される[1]。したがって、(i)接触抵抗率を適切な値に制御すること、および、(ii)熱サイクルや電磁力を経験しても接触状態が保持されることが必要である。これらの観点から、導電性エポキシを用いて接触界面を形成する手法を考えた。エポキシに混ぜ入れる導電性フィラーの種類・含有率を変化させることで抵抗率を制御する。本研究では、フィラーとして銅粉・炭素粉を用いてREBCO線材同士を接着し、接触抵抗率を4端子法で測定し、含有率の影響を調べた。この結果と、実際にLNI REBCOコイルに適用した結果を報告する。
本研究はJSPS科研費JP21K20419および理科学研究所基礎科学特別研究員制度の支援を受けたものである。

[1] Y. Suetomi et al., SuST, 34, 064003 (2021)